6月の話「前の会社の話」

2019年1月に辞めた会社の話でもします。

約5年間勤めていました。業種としては工業系で、自動車産業に関わっていました。工場と本社が別のところにあって違う仕事をしている会社の、わたしは本社の部署にいました。そこは規模が超小さい商社みたいな感じで、色々なこまごまとした商品を扱っています。
入社したての頃、倉庫の配置には全く慣れませんでした。そうなのです、出荷も自分たちでやるのです。小さい会社なので倉庫を委託することも出来ず、自社にめちゃくちゃ在庫を持っています。

一日の流れとしては、午前中に入荷検品・見積回答・午後一の引き取り分の注文書処理(商品準備、納品書発行、納期回答)をして、午後に見積回答・夕方に行う当日出荷分の処理(商品準備、納品書発行、納期回答)をしつつ、合間にめちゃくちゃかかってくる電話の対応をする、というものでした。これをだいたい一人でやっていました。

アホかと思います。今も現役でその会社で働いている人もいますし、似たような境遇で働いている方がいるというのも重々承知ですが、こんなんアホの経営者・上司の所業です。何が少数精鋭だ。ただの人手不足です。

なぜ人手不足なのかって経営者や上司の怠慢と、その状況で頑張ってしまった我々が悪いのです。わたしだって本当は頑張りたくなかったけど、頑張らざるを得ない状況になってしまったのです。やらないと一日の最後の出荷に間に合わない。ヤ〇トの営業所(近所にあった)に持ち込んででも、きちんとやり通さなければならない。まあそれも今思えば、間に合わなければよかったんでしょうけど。

働いて4年くらい経った時、わたし以外の先輩が誰もいなくなってしまって、頼れるのは自分だけになってしまったのが、「わたしが頑張ってしまった理由」です。自分より後に入ってきた同僚のことも守ってあげたかった。そして同時にそれが辞める理由にもなりました。

3人いた先輩が辞めた理由は共通の内容です。上司のいびりがひどい。

上司は、頑張っている人のことをいびるのが趣味みたいな最悪な人で、お客さんや社長に対する外面だけはすごくいいのに、女性社員に対する態度がクソほど最悪でした。舐めてんのか貴様って感じですけど、実際舐められていました。あとスーパーウルトラ気分屋なので、日によっては女性社員にもすごく優しくなる時がある。

それでも、事務の女性社員のトップ(先輩たちや、当時のわたし)にだけはずっと冷たく接してきて、まるで「しごくことでこいつは成長するんだ」と思われているようでした。でも少なくとも3人それで辞めてるんだから、わたしの時にはいい加減に気が付いてほしかった。今時それで伸びる人間は少ないということに。そしてあなたのそれは、完全に「いじめ」でしかなかったことに。

無視される、えこひいきをされる、同じ空間にいるのにいないものとして扱われる、でもこちらは話しかけないといけない(上司なので指示を仰がないといけない)、その応対が「じゃあ俺がやっておくから」で一蹴される(お前がやるなら最初からそう言え!!!)。
なんでいい歳こいた大人が、そんなことで悩まないといけないのか。時には倉庫でこっそり泣きました。そもそもなんでいい歳こいたおっさんが、部下に対してそんなことをやっているのか!!! アホじゃないかと思います。たぶん今も気づいてないんでしょうね、あのクソ上司は。風の便りで聞きましたが、このコロナ騒動でもいろいろ好き勝手やっているようです。

話を戻します。
2018年の天皇誕生日の日、土曜日で、かつ祝日にもかかわらずその会社は出勤日になっており(年間休日もめちゃ少ない会社だったな、そういえば)、有休を使い果たしていたわたしはおとなしく働いていました。病気をしたことで有休が消えてなくなっていたのです。
その日は社長面談が設定されており、言うならこの日しかねぇなと思っていたので「さ、天津飯さんは何か言いたいことある?」と聞かれた瞬間に「あの人ともう一緒に働きたくないので辞めたいです」と伝えたのでした。世間話を想像していたであろう社長は面食らっていましたが、訥々といかに上司がクソ野郎なのか、先輩たちが辞めた理由も確実にクソ野郎のせいであり、このままでは女性社員全員が病んでしまうということまで話した気がします。

わたしの必死の説明で、週明けの月曜日、つまりクリスマスには退職届を出していいという話になりました。呆気ないことに、引き留めもされませんでした。気持ちの固さが伝わったのでしょう。クソ上司には社長から話がいくようで、ありのままを伝えるのはわたしが消えた後にしてほしいとだけお願いしました。

そしてクリスマス。社長にプレゼント代わりに退職届を渡し、クソ上司(実は遠隔地にいる)からも電話で「辞めんの?」と聞かれたので「ハイ」と答え、見事年明けの退職日も確定したのでありました。ちゃんちゃん。

もちろん辞めるまでも散々いびられましたし(あの野郎「辞める人は何するか分からないから監視しといて」とか言う野郎なんですよ。何もしねぇよ今更……とあきれるばかりです)、同僚の方々からは憎むような惜しむような声で「やめちゃうの?」と聞かれましたが、もう一刻も早く退散したくてたまらなかったので「逃げるみたいでごめんなさい!あとはよろしく!」とやるべき引き継ぎだけして、わたしはあの薄暗い会社から去ったのでした。

頑張ることに疲れたわたしは一か月ほどニートを楽しんだ後に再就職を果たし、そして今基本的には頑張らないで働くことに成功しています。前の会社と比べると規模がびっくりするほど違うので、分担が事細かにされているのです。前の会社でやっていたことと照らし合わせれば、今わたしがやるのは納期回答だけですね。なんてこった。

もちろん今の仕事にも大満足!とは言い切れないですが、前の会社に比べたら好立地に好条件で働けています。今現在もテレワークを推奨していますしね。果たして今後週五できちんと出社できるのかがとても不安です。

だからもう、こりゃ無理だとなったら辞めればいいんだなと思っています。このご時世に転職回数を気にする会社は大きな企業だけでしょうし、中小企業なら潜り込めるんじゃないかと思います。今のところはこの状況が落ち着くまで転職はしないつもりですが、そのうちするだろうなーと思っています。

今でもクソ上司の家の庭にドクダミの種(種なのかな?)を撒いてやりたい気持ちは捨てていませんが、とりあえずこんな風に文章にすることで気持ちを落ち着かせてやろうと思います。クソ上司のもとで働くすべての人よ、頑張らないでいいのですよ……