歯医者に行った話の続き
2022年の年末、わたしは生まれて初めて親知らずを抜きました。
右の上の親知らずには虫歯が出来ていて、治療するより抜いた方が良いと先生に言われたからです。
最初の受診の時に聞いた話を間違って解釈していたらしく、右下の変な風に生えている親知らずを抜くのかと思っていたらそこはとりあえず放置のようでした。
生まれて初めての抜歯。怖さよりも楽しみが勝っていました。
噂に聞くように顔が腫れたりするんだろうか。ものすごい痛みを伴ったりするんだろうか。
どう考えても人生のうちに最大4回しか発生しないだろう、「親知らずの抜歯」にわたしの胸はときめいていたのです。
しかし、いざ抜いた時。それは非常にあっけなく、麻酔の影響もあったとは思いますが、痛みも全く無かったのでした。
たしかに小さくミシミシ……と軋む音が聞こえました。まさかあれが歯が抜ける時の音だったとは。ここから始まるんだなぁ! ワクワク! くらいにしか思っていませんでした。
「抜いた歯はこれですよ」と見せられても「へぇ」としか言えませんでした。それほどにあっけなく初めての抜歯は終わったのです。
ガーゼを噛んで止血するのを待っている間、歯科衛生士さんに「抜けた歯ってかわいいですよね〜!」と言われましたが、まったく同意できなかったので声が出せなかったこともあり、表情だけで「はぁ?」と伝えておきました。歯だけに。いや冗談ですが、でも衛生士さんに言われたことは事実です。
また同じ衛生士さんに「どうして持って帰らないんですか? こんなにかわいいのに!」とも言われましたが、抜けた歯を持ち帰ってどうしたら良かったんですか? へその緒みたいに保管しておくべきだったんでしょうか。あっさりと「いらないです」と言ってきてしまいましたが、何か最善策があったんでしょうか。
そんな右上の親知らずは、思っていたよりも小さかったけど、しっかりとした歯だったなと覚えています。決して可愛くはないけれど。
そして年が明けてから、左上の親知らずも抜きました。
右上が楽勝だったので余裕の表情で臨んだのですが、あれ? おかしいな? 結構痛くない? と思いながら抜かれていたわけです。
右の時と何が違うんだ、もしかしたら先生の利き手的にも抜きにくい方向だったんだろうか。レントゲンで見た感じ、わたしの親知らずは直立不動の状態で生えているので、こちら側の問題というよりあちら側の問題? いやいや百戦錬磨の歯科医師が手こずるわけはないでしょ! うーんでも右の時より時間がかかっている気がする……とあれこれ考えている時、前回よりもはるかに大きい軋み音が口内に響いたのです。
あっこりゃもしかしてこちら側の問題!? しっかりみっしり生えていたばっかりに抜きにくいとかある!? と思わざるを得ないほどの「ミシミシミシッ」という音でした。
とは言え、音ほどの痛みはありません。右に比べて感覚があるな〜くらいのものです。さすが百戦錬磨。
抜けた親知らずは、実はこちらも虫歯だったので黒い筋を恨めしい目で見てしまいました。
今度は歯をかわいい! と言う衛生士さんはいなかったので、あっさりと歯は破棄してもらいました。
というわけで、1ヶ月のうちに上の左右の親知らずとおさらばしてきたのですが、意外と快適な生活を送っています。
知らず知らずのうちに、わたしは両内頬をやわく噛んでいたようで歯が無くなったことでそれがほぼ無くなりました。舌で内頬に触れるとなんとなく噛んでいた跡があるんですよね。
あとそれに付随して頬の内側を噛むことが無くなり、口内炎が出来なくなったのです。デブの申し子なので顔の肉がありすぎるんだな……口内炎ってどうしてこんなに痛いんだろう……と思っていたんですが、そして太っているのは事実なのですが、もしかしたら歯の位置のせいもあったのかもしれません。
今のところ下の親知らずは虫歯が無いので抜く予定はありません。あとはちょっとだけ残っている虫歯治療と、クリーニングをやってもらったら歯医者通いはこれで一区切りかなぁと思っています。超近所の歯医者を選んだので定期健診にはちゃんと通いたいです。
この歯医者通いは2022年最後に、「今年やってよかったこと」に滑り込みました。懸念事項片付けといてよかった~! あとは転職成功させるぞ~!